デジタル・ジャングル 大学受験 ややこしい計算を嫌がる必要はない~2024年東大文系数学第三問に関して

ややこしい計算を嫌がる必要はない~2024年東大文系数学第三問に関して

良く出来ていますが・・・

 2024年2月実施の東大入試の文系数学第三問に関して河合塾が出した解答速報ですが、本当に良く出来ていると思います。これを書いた人は高いセンスの持ち主だろうと思います。

東大文系数学第三問(2024)東大文系数学解答・河合塾(2024)③-1

 けれども、同時に思うんですよね。特にこの小問(1)なんかそうですが、図形に関して鋭いセンスを持ち合わせていない場合、簡単に諦めて別の問題に取り組むなんて出来るのかな、と。

 あくまで個人的な判断ですが、この年の文系数学の場合、大問1と大問3は必ず正解したい問題だと思うのです。どちらも地道に計算すれば正解にたどり着けますから。それだけに取りこぼしが許されない。けれども、複雑な計算は厭だなぁ・・・。まぁ現場感覚でそういうことを考えるのが自然だと思います。だから、こういう解き方が出て来る訳ですが、一見煩わしい計算も実はそうとも限らないのではないか、というのがここでのテーマです。

 

 

見通しが利くかどうか

 仮にこういう図形的な発想が思い浮かばない場合、素直に考えて内積で解こうということになると思います。確かに一見複雑な数式になるのではないかと思います。文字数が複数だから尚更そうでしょう。

東大文系数学(2024)第三問小問1別解 けれども、よく考えると分子も分母も綺麗に約分できるし、左右両辺とも同じ文字式が出て来て綺麗に解ける訳です。これは中点Mが設定されているからです。それだけではない、右辺の分子と分母を見ると(2qーp)という共通の式があるから、思ったよりも簡単に答えは出て来るし、答えの形も比較的綺麗だと見当が付きます。

 小問(2)とか(3)を考えると(特に小問(3))、恐らく相加平均≧相乗平均か2次関数あるいは3次関数(微積分)を使うのだろうな、と考えると尚更。

 

色んな解き方を身に付けよう

 入試というのを「受験生を落とす試験」だと考えるか「受験生を合格させる試験」と考えるかで解き方も変わるのかもしれません。ここで提示した解き方は後者の考えを前提としているとも考えられます。

 ただ、いずれにしても見通しの利かない受験生には入学して欲しくないというのは大学も思っているでしょうね。

 確かに以前(こちら参照)で「省ける手間は省け」ということを言いましたが、いつも簡単な解き方が見つかるとも限りません。どんな場合でもちゃんと正答にたどり着ける、プロセスを定める中で見通しの利くようにしておく練習は常にする必要があるでしょう。これは数学、受験勉強だけではなく、仕事の世界、人間が生きていく中でも通用する話だと思います。

 もっと言うと、ゲームだってそうじゃないですか。初めのうちは難しい、手間暇の掛かるプレイをしていても何度もしている内にワープだ何だと簡単にクリアできるようになる、少しいつもと違うやり方になっても何が起きるか予想出来ているから、たじろぐことなくやっぱりクリアできる・・・。それと同じですよ。

 それが出来れば、例えばこの問題の場合、20分必要だと思って解いてみたら15分ほどで完答出来たということもあるでしょうが、それは偶然でも何でもなく日頃の努力のたまものという奴だと思います。そして、これが数学の勉強をする、問題を解く意味のひとつではないでしょうか。

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