なぜ勉強するのか?

極めてシンプルな問題、シンプルな答え

 

 極めてプリミティブな問題ですが、なぜ勉強しなければならないのでしょうか?

 色々な説明が可能だと思います。

 

 一昔前だと、良い学校に入って良い大学に進んで良い職場に就職する。「良い職場」というのは倒産のリスクが極小な組織・企業というのが一般的だと思われます。終身雇用を前提とした話ですよね。

 じゃあ、終身雇用がメルトダウンしつつある現況にあってはどう答えるべきなのでしょう?

 

 自分の心身への設備投資とか持って回った答え方がありますが、もっと端的な答えで良いと思います。

 

 「カネになるから

 

 これで充分です。

 

ピークはどこ?

 一見乱暴な答えですが、これで充分です。学校の先生が生徒から勉強しなければならない理由を問われればこう答えても構いません。これ以上の真理はありませんから(笑)。

 ただし、その先の到達点を示さなければ、恐らく多くの生徒の心は折れるでしょう。

 大学」というのは、高度に専門的な研究教育をするための機関であり、それをすることで社会の発展に貢献することを使命とする組織であると位置付けられています。

 

 大学入試」はそんな「大学」で教育を受けるに相応しい人材を選抜するためのシステムです。

 「大学」で学生が会得するべきものは「教養」と「教養」に裏打ちされた「専門的知見」とされています。

 

 昨今ではどういう訳か総合型選抜の導入などを見ると「教養」教育の前倒しが図られているようでありますが、あらゆる「専門的知見」の前提とされる「教養」とは「当該分野で継続的に成果を出し続けるために不可欠な技能」と定義できると思われます。

 となると、「大学入試」とは「教養」を備えるための潜在的能力が備わっているかを確かめるための人材選抜システムと定義できます(先述した事情から、最近ではどの程度「教養」を備えているかを確かめるための人材選抜システムと定義した方が良いかもしれませんが)。

 そうして、「大学」という機関で研鑽を積んだ学生の大半は25歳くらいまでに社会に出るわけです。

 

 ところで、人間、いつまで働かねばならないのでしょうか、あるいは働くことが出来るのでしょうか。

 最近の日本では70歳になっても働きたいという人が多く、80歳になっても働かねばならない人ばかりという大凡信じられない状況にありますが、欧米では60歳を過ぎても働いている人は全体の10%以下と言われています。

 

 精神的にも頭脳的にも肉体的にも60歳くらいまでが(アスリートなどは別ですが)、人間がピークにあって労働に従事できるタイムリミットかなと思われます。

 人間の能力はピークを維持できるのは精々30年程度だと思うのですが(大体歴史を見ても、30年を超えて在位し自ら統治した君主は晩年にボロが出ることが多いからです)、とするならば、30歳から能力的にピークを迎えなければならないという事になりそうです。

 

 とするならば、現代社会に生きる私達は社会人として30歳程度でピークを迎えるスタートラインに立っていなければならないという事になり、そのために教育なり研究があると考えられるはずです。

 本当はこういう事を考えた上で政治でも教育でも議論するべきだと思います。

 

 ちなみに、「人生100年時代」における60代以降の生き方に関してですが、若年層のサポートという役目がある筈です。

 例えばホワイトカラーの場合、新規事業を立ち上げる若い連中に販路や提携先を紹介したり、仕事上のアドバイスをしたりして、(社外取締役であれ顧問であれ)幾許かの小遣いをもらうという事も考えられるでしょう。

 

 あるいはブルーカラーなら、根本的な技術、それこそ「秘伝のたれ」のような技術の伝承のために若い人材を指導することで指導料を稼ぐという事もあるかもしれません。

 この辺りは蛇足ですが、いずれにせよ、仕事を通じて勉強していなければ出来ない話であり、そのためには児童・生徒、あるいは学生と言われる頃から勉強していなければならないのは言うまでもありません。

 

 もし、私共デジタル・ジャングルと同業他社(所謂教育産業)が少し毛色が違うとすれば、こういう社会全体のあり得べき姿を意識していることではないかと思われます。

 

 

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