英数国>理社?それとも・・・
よくよく考えてみると可笑しな話だなと思います。小中学校の時は、英数国理社と五科目並んで言われますが、高校に上がった途端、英数国と理社(あるいは情報)に扱いの差が出て来ます。
分かり易い例で言うと大学入試における配点のあり方、典型例は大学入試共通テスト。英数国の三科目の配点は200点満点、それ以外の科目は100点満点。英数国とそれ以外の科目の扱いの差、配点の違いは歴然としています。2倍の違いというのは考えてみれば凄いことです。
しかしながら、殆どの人は考えた事がないと思います。生徒は勿論、指導者もそんなこと、まず考えた事がないと思われますが、なぜこういう違いがあるのでしょうか?
色んな考え方があると思いますが、ひとつの考え方として、単純に考えて、他の科目より大切であると見做されているから配点が高いわけですが、そのように見做されているのには訳がある筈です。単純に考えて世界史なり物理などの他の科目の場合、最初から扱う現象が具体的な形で存在しますが、英数国の場合、問題文や教科書を見なければどのような形で存在するか分からない、抽象的な形でしか存在しないというのはあります。
だったら、英数国だけで良くね?
というか、「だったら、英数国だけ勉強してりゃ良くね?」って疑問もあると思います。特に生徒の皆さんに多いと思います。そりゃそうです、大半の生徒にとって勉強なんて苦行です、苦行は少ないに越したことがありません。それに実際、私立大学の文系学部の入試において、英語と国語を必修にして地歴公民と数学を選択科目に設定している場合がありますから、理屈としても一定の合理性はありそうです。
けれども英数国以外の科目を学ばなければならないのは具体的な現象に対して一定以上に深い理解を得なければならないからです。それは私達が日常生活を果たす上で、少なくとも建前上は必要不可欠とされているからです。
その必要不可欠とされている具体的現象への理解を更に深めるために英数国を学ぶ必要があるということです。
もっと俗っぽく言いますとね・・・
なんて大上段から構えた事を言ってしまいました。これはこれで一つの考え方、それこそ大学入試のために各大学が出すアドミッションポリシーに対応する考え方、答え方の一つです。
けれども、少し分かりにくい、何かもやっとした答えですよね。
もうちょっと分かり易く、具体的に、端的に言うと俗っぽく考えましょう。
なぜ勉強しなければならないかというと、お金を稼いで生活するためです。そのために必要なのは、「情報収集→情報分析→情報伝達」の一連の流れをこなせることです。言い方を替えるならば、「読む→余計なものを削ぎ落とす→伝える」です。「伝える」と共に「議論する」が要求されることも多々あります(両方併せて「表現」というのです)が、まずは「伝える」です。これが出来なければ話になりません。
そのために英数国を勉強しなければならないのです。
と、ここまで来て英語と国語を勉強する意味に関して、簡単に理解した人は多いと思います。つまり、国語はモロに「情報収集→情報分析→情報伝達」を鍛えるために存在するというのは考えるまでもありません。英語はそこにグローバル化とか国際化という言葉を入れると具体的にイメージできます。その意味で、これも難しい話ではないでしょう。
問題は数学。「こんな数字の羅列、なんでやらなくちゃならないの?」って思う人は絶対いる筈ですが、少しだけ反論出来るのならば、数字以前に考え方を学ばなければならないというのはあります。例えば、裁判の判決文などはルールを具体的現象に当てはめて真偽を見極めた結果であるという意味において初等幾何の証明問題と似たようなものですし、裁判なんて一生に何度も経験するものではないって反論があるなら、マーケティングにおける発想等というのは、それこそ高校数学で習う必要十分条件の延長のような話ばかりです。
一杯似たような商品があるけれども、なぜこの商品を選ばなければならないのか、この商品が選ばれる根拠は何か・・・、これがマーケティングをする上で必ず考えなくてはならない要素なのですが、正に必要十分条件ではないでしょうか。そして、マーケティングはサラリーマンになっても起業するにしても、一度は身を置かねばならないフィールドであることを考えると、数学を学ぶ重要性は厭が応にも高いと理解せざるを得ないのではないかと思います。
確かに私立大学の文系学部の入試では数学が選択科目に設定されていることが一般的ですが、個人的には少し勿体ないなと思わなくもありません。
それは兎も角、英数国を学ぶ意味というのは、このように社会に出てからも仕事をする上で役に立つからであり、それこそ「雀、踊りを百まで忘れず」ということを忘れずに指導者は指導をし、生徒は勉強して欲しいと思います。

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