悲喜こもごものこの季節
今年もこの季節がやって参りました。昨日(3月10日)が東大京大の合格発表、毎年ながらラスボス感満載ですね。それこそオンラインで色々見ていると正に悲喜こもごも。
X(旧twitter)を見ていると「冠模試でA判定をあれだけ連発していたのに・・・」というコメントがちらほら見受けられたのが気になりました。
野村克也監督の言葉に「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と言います。
そこで今日はちょっとそれに引っ掛けて、大学受験に関して言及したいと思います。
分かってない奴が指導するからこうなる
少しセンセーショナルな事を言いますが、結局受験生の偏差値と志望校の偏差値をにらめっこしてああだこうだと宣うことが進路指導だと勘違いしている人間が指導者として存在できるところに全ての根本はあります。
確かに指標としての偏差値は重要ではあると思いますが、もっと重要な事があります。それは志望校が受験生に何を求めているのかを出来る限り明確かつ具体的に理解することです。それが出来ている指導者が良い指導者です。
もっと言うと、予備校で働く講師や問題作成者の中で何人がそういうことを理解出来ているでしょうか?
ことしも少しぼやきましたが(詳細はこちら)、ああいう解答速報を平気で流してしまうこと自体予備校のマニュアル教育が限界に来ているのではないかと思います。より日常的な話だと、数学なんかで別解で正解を導いても0点になったり減点食らうこともよくあるようです。これなどは予備校の対応能力の低下を示している現象ではないかと思います。
そういうことを考えると、予備校の指導やその主宰する模試の結果に対して絶対的に信頼を置くことは困難ではないかと思われます。
受験産業(予備校)との付き合い方
それでも予備校の持つデータには一定の存在意義がある事は否定できません。第一あれだけのビッグデータを集めること自体、既に大きな値打ちがあります。
そこで、彼等受験産業との付き合い方が問題になると思いますが、取り敢えず以下の点をやらないように気を付けることをお勧めします。
1,目的を見誤るな;確かにA判定はないよりあった方が良いですが、それだけの話です。模擬試験を受ける目的はA判定を取る事ではありません、勉強したことがどこまで出来ているかを確認する事(あとあるとすれば本番の臨場感を味わう事)です。そこをまず忘れてはなりません。勿論、最終的な目標は志望校に合格する事です。
2,予備校(模試)を過信するな; 確かに予備校の持っているデータやマニュアルにはそれなりの値打ちはあると思いますが、絶対的に信用できるほどのものではありません。その証拠に模擬試験の問題と過去問を見比べれば分かる事ですが、随分と出題の雰囲気が異なると感じる事がままあります。数学なんかの場合、別解で正答しても得点されないという事例が増えているように思われますし、本番の解答速報を見てもピント外れの答案を作成している場合が散見されます。
3,入試という制度を正確に理解しろ; 入試というシステムは「大学という研究教育機関で専門的知見を深めるために必要な教養の素地がある人材を選抜する制度」です。そして、大学とは専門技術を駆使して、実務及び学術において社会に貢献できる人材を育成する機関です。ゆえに、深い理解と素早い処理能力が要求されます。これはどこの大学でも同じです。
こういうことをちゃんと理解している人が良い指導者だと思いますし、受験生にとっても自分で学習計画なり戦略を作る際に参考になるはずだと思います。
取り敢えず総論的な話は以上です。各論的な話はこちらを参照して下さい。